稲葉修久さま(採用コンサルティングおよび人材業界・人材紹介・教育研修・採用戦略の構築・求人広告の運用・設計等)

「採用がうまくいかない」、「人が集まらない」、「入ってもすぐ辞めてしまう」――そんな悩みを抱える企業や、支援の現場にいるキャリアコンサルタントの方にこそ、ぜひ耳を傾けてほしい回があります。今回の瀧本博史の「元気にはたらこ!」にお迎えしたのは、RIコンサルティング株式会社 代表取締役の稲葉修久(いなばのぶひさ)さん。臨床検査技師という医療の専門職から、人材・採用の世界へと大きく舵を切り、現在は「採用マーケティング」という分野で企業支援を続けている実践家です。

番組は、稲葉さんの意外なキャリアの原点から始まります。大学卒業後に臨床検査技師として病院で働く中、派遣で働く看護師の存在に触れ、「働き方は一つじゃない」という事実に衝撃を受けたこと。そこから「人の働き方そのもの」に関心を持ち、未経験ながらリクルートエージェントへ転職。さらに、求人が紙媒体からネットへと大きく変わる時代の流れをいち早く感じ取り、Webマーケティングを学ぶためにITベンチャーへ飛び込んだ決断。稲葉さんのキャリアは、計画通りというより、「時代の変化を嗅ぎ取り、行動した結果」の連続だったことが語られます。

特に印象的なのは、ベンチャー企業での経験です。SEOや広告といったカタカナ用語が独り歩きし、本当に必要ではない施策を「売らなければならない」現場への違和感。そこで稲葉さんは、「企業にとって本当に意味のある支援をしたい」という思いから独立を決意します。こうして立ち上がったのが、RIコンサルティング株式会社。単なる採用代行や広告運用ではなく、企業ごとに異なる課題や状況を見極めながら、中長期で伴走する採用マーケティングを軸に事業を展開してきました。

番組では、稲葉さんが一貫して大切にしている考え方が繰り返し語られます。それは「部分最適ではなく、全体最適」。求人広告を出す、採用サイトを作る、といった単発の施策ではなく、「なぜ、採用するのか」、「誰と一緒に、どんな未来をつくりたいのか」という企業の本質から設計し直すこと。採用とは単なる「人集め」ではなく、「企業の未来を一緒につくるパートナー探し」なのだという言葉は、採用支援に関わる人だけでなく、働く側にとっても大きな示唆を与えてくれます。

また、臨床検査技師時代に培った「データを見る視点」が、現在の採用マーケティングにも活かされている点も興味深いポイントです。血液検査や検査数値から異常を見つけていく医療の仕事と、アクセス数や応募率、歩留まりといったデータから改善点を探る採用の仕事。その共通点を語る稲葉さんの話からは、キャリアは決して断絶せず、形を変えてつながっていくものだということが伝わってきます。

無形商材である「コンサルティング」の価値をどう伝えるか、実績のない創業期をどう乗り越えたかといったリアルな苦労話も、この回の聞きどころです。現在では数万件規模の求人を扱い、紹介による仕事も増えている背景には、「売りたいものを売る」のではなく、「必要なことだけを、必要なタイミングで提案する」という姿勢を貫いてきた積み重ねがあることが、言葉の端々から感じられます。

採用に悩む企業の方はもちろん、キャリアコンサルタントとして企業支援に関わっている方、そして「自分の専門性をどう社会に活かすか」を考えているすべての人にとって、多くのヒントが詰まった放送回です。変化の時代に、どう判断し、どう行動するのか。そのリアルな思考プロセスを、ぜひ音声でじっくり味わってみてください。

RIコンサルティング株式会社
https://ri-c.co.jp/

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