2025年春の公開生放送(各業界で活躍するキャリアコンサルタント)

番組開始から3年目という節目を迎えた今回の放送は、まさに「元気にはたらこ!」というタイトルを体現する、熱量と多様性にあふれた特別回でした。舞台は京都の放送局。スタジオに集まったのは、分野も立場も異なる8名のキャリアコンサルタントや実践者たち。笑い声と真剣な語りが交差しながら、「これから、どう働き、どう人を支えていくのか」という問いが、立体的に浮かび上がってきます。3年目を迎えたからこそ語れる、現場のリアルが詰まった回です。

放送冒頭では、3年目突入への感謝とともに、それぞれが「この1年で何に挑戦するのか」、「どんなテーマに向き合うのか」を率直に語っていきます。資格取得に挑む人、AIやChatGPTを本気で使いこなそうとする人、活動の幅を広げるためにあえて仕事を減らし時間を生み出す人。共通しているのは、「何かを始めるには、何かを手放す覚悟が必要だ」という実感です。安定や慣れにしがみつくのではなく、自分の意思で選び直していく姿勢が、言葉の端々から伝わってきます。

キャリア教育の分野では、学校現場での実践が紹介されます。子どもたちに「将来の職業」を決めさせるのではなく、「どう生きたいか」、「どんな大人でありたいか」を言葉にする取り組みが、少しずつ全国に広がっているという話は、キャリアの原点を思い出させてくれます。経済産業省の表彰をきっかけに、活動が次のステージへ進んでいる様子も語られ、地道な継続が社会に認められていくプロセスに、勇気をもらうリスナーも多いはずです。

一方で、電話相談や個別支援の現場からは、より切実な声が届きます。ハラスメント、異動、対人関係、管理職としての葛藤。相談件数が数千件規模にのぼる実践者の言葉からは、「傾聴だけでは届かない場面もある」という現実が語られます。ただ聴くだけでなく、時には背中を押すこと、ヒントを与えること。そのバランスをどう取るのかという議論は、キャリアコンサルタントという仕事の核心に触れるものでした。

特に印象的なのは、「元気に働く前に、元気じゃない人がたくさんいる」という言葉です。いきなり前向きになることを求めるのではなく、カーテンを開ける、外の世界をのぞく、そんな小さな一歩を支えることこそが支援なのだという視点。キャリア支援の枠を少しはみ出しながらも、人に寄り添う本質を忘れない姿勢が、スタジオ全体に静かに共有されていきます。

さらにこの回では、「専門性をどう磨くか」というテーマも浮かび上がります。外国人材支援、教育、朗読や話し方、音楽や居場所づくり。キャリアコンサルタントは「何でも屋」ではなく、それぞれの強みを軸に広がっていく存在でいい。その多様な在り方が、8人の語りを通して自然に示されていました。韓国語朗読や昔話、衣装の話題まで飛び出す自由さも、この番組らしい魅力です。

3年目へ突入した記念回は、完成された成功談ではなく、試行錯誤の途中にいる大人たちの「いま」が詰まった放送でした。迷いながらも動き続けること、語り合うこと、笑い合うこと。その積み重ねが、次の一年をつくっていくのだと感じさせてくれます。キャリア支援に関わる人はもちろん、「自分はこの先どう働きたいのだろう」と考え始めたすべての人にとって、多くのヒントと元気をもらえる回です。ぜひ音声で、スタジオの空気ごと味わってみてください。

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