

今回の「瀧本博史の元気にはたらこ!」は、AIビジネスプロデューサーの宮田新さんをゲストにお迎えし、いままさに私たちの仕事や暮らしを大きく変えつつある「AI」と、そこから生まれる新しいビジネスの可能性についてお話を伺いました。
「AIビジネスプロデューサー」と聞くと、難しいプログラムを書いたり、専門的な技術を駆使したりする人を想像するかもしれません。しかし、宮田さんのキャリアの出発点は、意外にも“営業一筋”。IT業界に身を置きながらも、エンジニアではなく、10年以上にわたって営業としてお客様の課題に向き合ってこられた方です。だからこそ、今回のお話は単なるAI技術の話では終わりません。AIを「人の仕事を奪うもの」として見るのではなく、「人の困りごとを解決し、より良い選択肢を生み出すための道具」としてどう活かすのか。その視点が、番組全体を通してとても印象的でした。
宮田さんはこれまで、SIer、メーカー、スタートアップ、大手外資系企業など、さまざまな環境を経験してこられました。ご本人は「前半は迷走していた」と率直に語ります。自分のやりたいことがわからず、自社サービスを持つ会社に惹かれたり、スタートアップの世界を見てみたくなったり、今度は大手企業に興味を持ったりと、関心の赴くままに環境を変えてきた時期があったそうです。しかし、その一つひとつの経験が、いまの宮田さんの強みにつながっています。営業として実績を残しながら、業界や企業規模の違いを肌で知り、相手の課題を見つけ、解決策を提案する力を磨いてこられたのです。
番組の中で特に印象的だったのが、製造会社へのBIツール導入のエピソードです。データ活用がまだ進んでいないレガシーな業界に対して、ただツールを売るのではなく、どのようにデータを見ればよいのか、何を改善できるのかというところから丁寧に伴走し、最終的には全社展開にまでつながったといいます。ここには、宮田さんが大切にしている「感謝されること」、「役に立つこと」という仕事観がよく表れています。営業という仕事の面白さは、商品を売ることそのものではなく、相手の課題を解決し、「助かった」と感じてもらえる瞬間にある。そんな宮田さんの言葉には、AI時代になっても変わらない仕事の本質がにじんでいました。
一方で、宮田さんが大きく舵を切るきっかけになったのが、生成AIの登場です。ChatGPTをはじめとした生成AIが一気に身近になったことで、「AIを使えば、もっといろいろなことができるのではないか」と感じたことが始まりだったといいます。この3年ほどでAIは劇的に進化しました。日本語で指示するだけで文章を整えたり、画像を生成したり、場合によってはパソコンの中を操作するようなAIエージェントまで登場しています。かつては返ってくる答えが少しズレていたり、日本語が不自然だったりしたAIも、いまでは驚くほど自然に、人間の仕事を支えてくれる存在になっています。
ただし、番組ではAIの便利さだけでなく、「人とのつながり」についても深く語られました。AIが営業、マーケティング、経理、秘書のような役割を担い、一人で会社を運営するような時代が見え始めている一方で、宮田さんは「人とのつながりの中でしか生きてこられなかった」と話します。AIとの対話では効率化や作業の代行はできても、人と話すことで生まれる発想や、思いがけないアイデア、人との縁から広がるチャンスは、やはり人間同士の関わりの中にある。むしろAIが登場したことで、これまで出会えなかった人とつながる機会が増えたという宮田さんの言葉は、AI時代を前向きに生きるヒントになるはずです。
そして今回の放送で、最もワクワクする話題となったのが、宮田さんが現在取り組んでいる新サービス「型番くん」です。これは、家電などを購入するときの“買い方”そのものを変えようとするサービスです。通常、私たちはAmazonや比較サイトを見ながら、表示されている価格の中から一番安いものを探します。ところが「型番くん」はその構図を逆転させます。消費者が欲しい商品の型番と希望価格を入力すると、販売店側から「その価格で販売できます」と提案が届く仕組みを目指しているのです。
これは、家電量販店で価格交渉をするのが苦手な人にとって、とてもありがたい仕組みです。大阪出身の番組ホストである瀧本のように「これ、なんぼになりますか?」と気軽に聞ける人ばかりではありません。交渉に気まずさを感じる人もいれば、そもそもどこまで安くなるのかわからず、結局あとから「もっと安く買えたのでは」とモヤモヤする人もいます。「型番くん」は、そうした買い物の不安や手間を減らし、消費者がより納得できる価格で購入できるようにするサービスなのです。場合によっては、ネットの最安値より1万円以上安く購入できる可能性もあるという話には、思わず身を乗り出したくなります。
さらに、このサービスは個人の買い物だけでなく、法人利用にも大きな可能性があります。会社で備品や設備を購入するとき、「相見積もりを取る」という作業に手間がかかることは少なくありません。ところが、希望価格を提示し、それに対して販売店から提案が来る仕組みであれば、購入担当者の負担は大きく減ります。瀧本が番組内で「これは法人利用サービスとしてもすごい」と反応していたのも納得がいくと思います。買い手が価格を探し回る時代から、売り手が条件に合わせて提案する時代へ。まさに流通の仕組みを変えるような発想です。
もちろん、安さだけでは安心できません。番組では、販売店の信頼性や個人情報保護についても話題になりました。「型番くん」では、厳正な審査を通過した販売店にバッジを付与する構想や、取引実績、レスポンスの速さ、評価の仕組みなども考えられているとのこと。「メルカリ」や「くらしのマーケット」のように、利用者が安心して選べる仕組みを取り入れながら、セキュリティにも配慮していく姿勢が語られました。便利さと安心感をどう両立させるかという点にも、宮田さんの営業経験とユーザー視点が活かされているように感じます。
面白いのは、宮田さん自身がこのサービス開発を「知識ゼロ」の状態からAIと対話しながら進めているという点です。画面の見た目は作れても、セキュリティ、データベース、チャット機能、LINE連携など、実際に人に使ってもらうサービスにするためには、数多くの課題があります。その一つひとつを調べ、AIに相談しながら形にしていく。ここには、学歴や過去の専門経験だけではなく、「やってみる力」が価値を持つ時代の「リアル」があります。AIは、未経験の人にも新しい挑戦の入口を開いてくれる存在になっているのです。
今回の放送は、AIの最前線を知る回でありながら、同時に「これからの働き方」や「人とのつながりの大切さ」を考えさせられる回でもありました。AIを使いこなすことは、決して人間らしさを失うことではありません。むしろ、自分が本当に大切にしたいことに時間を使い、人との出会いから新しい価値を生み出すために、AIをどう味方につけるかが問われているのだと思います。
営業として人の課題に向き合ってきた宮田さんが、AIを活用して新しい購買体験をつくろうとしている。その挑戦には、これからの仕事のヒントがたくさん詰まっています。AIに興味がある方はもちろん、営業職の方、新規事業に関心のある方、そして「自分にも何か新しいことができるのでは」と感じている方に、ぜひ聴いていただきたい放送です。きっと聴き終えたあとには、AIが少し身近に感じられ、自分の仕事や暮らしの中でも何か試してみたくなるはずです。
◆株式会社リンクアンドベース|ホームページ
https://linkandbase.co.jp/
◆型番くん
https://kataban-kun.pages.dev/
◆型番くん|note
https://note.com/nicotama01/n/na8b4aa3aca59
◆しん@キャリアと副業|X
https://x.com/shin_miyata03
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